先日、ネットでヨーロッパアルプス周辺の旅行のブログを見ていました。
山岳風景が好きなので、あまり知られていない絶景ポイントを探すためだったのですが、
そこに“アレッチ氷河”というメジャーな観光スポットの写真がありました。
と・・・そこで旅行をしていた人が「氷河の中央に黒い線があるけど、あれは何だろう?」と疑問に思っていました。
場所は違いますが下の写真を見て下さい。
中央の山はリスカムというとても高い山ですが、
その下に氷河があり、黒い線が走っているのがわかります。
この線です。
これは「モレーン」で、多くの方は地理の授業で聞いたことがあると思います。
氷河の下流の方に残る堆積物をイメージされる人が多いと思いますが、これもそうです。
氷河が長い時間をかけて流れるなか、両側で岩が削られて砂礫が蓄積されます。
別々の氷河が出会うと、それぞれの片側にある砂礫が一つになります。
線が1本だと上流で2本の氷河が出会っている。
線が2本だと3本が出会っている。ということになります。
黒い線でそんなことがわかるのです。
特にアラスカやヒマラヤには長大な氷河がたくさんあり、
幾筋もの黒い線が入っていて、とても芸術的です。
自然の力が作る風景に敬服するばかりです。
ちなみに
長らく「日本には氷河はない」とされてきましたが、
2012年に氷河として3か所が認定されました。
長野県と富山県にまたがる北アルプスの中にあって
劔岳で2本、立山で1本が認定されています。
とは言いましても、どれも残雪の下に埋もれているので氷河らしくありませんが…